ダム湖百選

せいだいだむこうえん ●聖台ダム 
●北海道美瑛町

聖台ダム

聖台ダムは、大雪山連峰の麓の美瑛町を流れる宇莫別川を堰き止め、水田の灌漑を目的に、昭和7年から5カ年をかけてつくられた「中心コア型ゾーンタイプアースフィルダム」です。 建設工事では、当時日本にはなかった蒸気機関やディーゼル機関の大型転圧機械をアメリカやドイツから輸入し、建設作業員を延べ10万人も動員するなど、道内では初、国内でも最大級の工事であったと記録されています。 また、このダムの基礎岩盤工事で採用されたセメント注入工法(グラウト工法)は、その後国際大堰堤会議で報告されるなど、戦後の北海道のダム建設の手本として注目され、70数年経った現在でもその形をほとんど変えずに引き継がれています。 さらに、放水路は自然の地形を利用して設置されたため、水路を桜並木が覆い、満開の花を映して水が流れる様は絵画のように美しく、多くの町民が花見に訪れます。 聖台ダムのある美瑛町は、2千メートル級の山々が連なる十勝岳連峰に抱かれるようになだらかな丘陵地帯が続き、ヨーロッパの田園風景を思わせる変化に富んだ丘の景観から、「丘のまちびえい」として親しまれています。 初夏にはジャガイモの白い花、夏にはラベンダー、ポピー、小麦などのさまざまな花々で彩られ、丘全体が雪で白く覆われた冬の美しさもまた格別です。 恵まれた自然に抱かれて、春には、5月第3土・日曜日に「丘のまちびえいさくら祭り」、秋には、9月第2日曜日に秋の収穫祭として「沢の村祭り」が開催されます。 北海道を代表する美瑛の丘で心を癒してくれる風景が、皆さまをお待ちしています。

見どころ
●宮様国際スキーマラソン(2月)
●いきいきフェスタ(3月)
●スノーフェスティバル・全日本スノーモービル選手権(3月)
●ハ丘のまちびえいさくら祭り(5月)
●びえいヘルシーマラソン(6月)
●十勝岳山開き(6月)
●美瑛・那智火祭り(7月)
●丘のまちフェスティバル(8月)
●出会い・ふれあい祭り(9月)
●沢の村祭り(9月)
静かな湖面に周囲の自然が映える
桜の中の放水路
おかめ・ひょっとこも繰り出す「沢の村祭り」
ぜるぶの丘・亜斗夢の丘

アクセス(聖台ダムまで)

【車利用】
JR富良野線美瑛駅から車で10分、徒歩で1時間

聖台ダム公園(聖台ダム)諸元

目的/かんがい
ダム位置/北海道上川郡美瑛町字中宇莫別
河川名/石狩川水宇莫別川
型式/中心コア型ゾーンタイプアースフィルダム
堤高/29.7m
堤長/485.4m
総貯水量/3,998,990m3
湛水面積/0.51km2
完成年/昭和12年